歯周病は歯を失う原因第1位
歯周病は、世界で最も一般に蔓延している感染症といわれています。日本においても、歯周病は歯の健康を脅かす病気です。2018年に8020推進財団が行った「第2回 永久歯の抜歯原因調査」によれば、歯周病は歯を失う原因の第1位とされています。年齢別に見ると、働き盛りである40代以降、歯周病が原因による抜歯が急激に増え始めます。50代以降は虫歯やその他の理由を圧倒するほど、歯周病が原因の抜歯割合が増えていきます。
大切な歯を守るためにも、北赤羽の歯医者「北赤羽すまいる歯科」で、歯周病を早期に治療・予防していきましょう。
歯周病の症状
お口や歯ぐきに気になる症状はありませんか? もし以下のような症状があれば、歯周病かもしれません。ぜひ一度、当院にて検査をしましょう。
- 歯ぐきが腫れている、出血している
- 歯ぐきが赤い、紫色になった
- 冷たい物がしみるようになった
- 歯ぐきが痩せてきた
- 歯が伸びたような気がする
- 歯が浮くような感じがする
- 歯間が広くなってきた
- 歯ぐきから膿が出てきた
- 歯がグラグラする
症状に合わせた治療法
歯周病には、歯肉炎と歯周炎があります。歯肉炎は歯ぐきが炎症を起こしているだけで、プラークや歯石の除去をして、丁寧にセルフケアしていけば改善されます。一方、歯周炎は歯肉炎が悪化して、歯を支える組織が破壊された状態です。進行具合によって軽度・中等度・重度に分けられ、それぞれ適切な処置を行わなければなりません。
軽度
ブラッシング時に歯ぐきから出血することはあるものの、それ以外の自覚症状はほぼないため、気付かないことがほとんどです。
主な治療法
ブラッシング指導
汚れを落とすことは、歯周病治療・予防の基本です。患者さんのお口に合ったブラッシング方法をアドバイスします。
スケーリング
固くこびりついた歯石は、ブラッシングで落とせません。スケーラーという専用器具を用いて、歯の表面にこびりついた歯石を除去します。
中等度
歯ぐきが炎症を起こすだけでなく、歯を支えるあごの骨が溶かされます。歯がグラグラし始めたり、歯ぐきが下がって歯が長くなったように見えたりします。
主な治療法
ルートプレーニング
専用器具によって、歯周ポケット(歯と歯ぐきの間にある溝)の内部にこびりついた歯石や溜まったプラークを除去します。さらに歯の表面をつるつるに磨き、汚れが再付着しにくい状態にします。
フラップ手術
局所麻酔をして歯ぐきを切開することで、歯根を露出させます。歯根にこびりついた歯石やプラークを除去するとともに、汚染された歯ぐきも除去して健康な状態へ導きます。
重度
歯を支えるあごの骨が半分以上溶かされてしまった状態です。歯が大きくグラグラと揺れる、出血・膿が出る、口臭が強くなるといった症状があります。放置すれば、いずれ歯は抜け落ちてしまいます。
主な治療法
GTR法
GTR法は歯周組織再生療法の一つです。まず、歯周ポケット内部の歯石・プラークを除去します。そして、メンブレンという特殊な膜を設置して、失った歯周組織の再生を促します。
エムドゲイン
エムドゲインも歯周組織再生療法の一つです。歯周組織がつくられるスペースを確保したうえで、エムドゲインジェルを塗布して組織の再生を促します。
重度の歯周病にも対応可能です
GBR(骨誘導再生法)
歯周病によって失われたあごの骨を再生する治療法です。自家骨や人工骨を失われた部分に設置して、あごの骨の再生を促します。エムドゲインやGTR法と併用して実施します。
エムドゲイン
エムドゲインという薬剤を塗布し、歯ぐきが入りこまないように処置することで、歯周組織の再生を促す方法です。
FGG(遊離歯肉移植術)
歯根の周囲に角化歯肉(歯槽骨に付着するコラーゲン線維が豊富な歯ぐき)が失われている場合に行う処置です。上あごの口蓋から上皮のついた歯ぐきを切り取り、歯根の周囲に移植します。
CTG(結合組織移植術)
CTGはFGGとは異なり、結合組織のみを歯ぐきの組織(上皮と骨膜の間)に移植します。歯周病により薄くなった歯ぐきの厚みを増やすための治療です。
APF(歯肉弁根尖側移動術)
歯周ポケットが深くなると、プラークや歯石がこびりつきやすくなり、歯周病が進行します。APFは、汚染組織を取り除きつつ歯周ポケットを浅くする物です。歯根とあごの骨に付着する角化歯肉を保ちつつ増やせるため、メリットの多い処置です。
治療後は定期的にメインテナンスを
歯周病や虫歯など、お口のトラブルを予防するためには、毎日のブラッシングが大切です。しかし、ご自身によるセルフケアのみでは、プラークを落とし切ることはできません。大切な歯と歯ぐきを守るためにも、ぜひ歯科医院で定期的にプロフェッショナルケアを受けましょう。歯を守るプロが、セルフケアでは落としきれない歯と歯の間、歯周ポケットに残るプラークや歯石を徹底的に除去します。お口の中の細菌量が減りますので、将来的なお口のトラブル予防につながります。
歯医者は、歯が痛くなってから「治療」するために行く場所だと思っている方は多いかもしれません。しかし、本当は歯が痛くならないように「予防」に行くところです。歯科衛生士によるお口のチェックを受け、ご自身のお口にあったメインテナンスやクリーニングを行いましょう。そうすれば次第に、「歯医者=痛い治療」ではなく、「歯医者=お口をすっきりきれいにして、虫歯・歯周病を予防する」そんなイメージに変化するはずです。