歯医者に通う習慣をつけましょう
最近では、虫歯のないお子さんが増えてきました。これは、親御さんの予防意識が高まってきたことが理由にあると思います。しかし、大人になると虫歯・歯周病になってしまうことは珍しくありません。これは、歯医者に通う習慣がつかなかったことが原因と考えられます。
子どもはいずれ親離れをして、親の自由にはならなくなります。そして親御さんに連れられて歯医者に通っていた子も、「面倒くさい」という理由で歯医者に通うのをやめてしまいます。これでは、虫歯・歯周病のリスクが高まるのも仕方ありません。
また、意外なことかもしれませんが、近年は歯周病の兆候があるお子さんが増えてきています。「子どもは歯周病にならないんじゃ…」と思われる方もいるかもしれませんが、気が付くとお子さんの歯が「ボロボロ」ということもあり得るのです。
お子さんの歯を守るためには、「歯医者に通う習慣」を身につけてあげることが大切です。小さい頃から歯医者に通うのは当たり前、歯医者に行くことはとても大切ということを意識させてあげましょう。セルフケアやメインテナンスの大切さを身につけさせることが、お子さんの将来を守ります。
ご家庭での仕上げ磨きも大事です
仕上げ磨きのコツ
毎日のブラッシングは、お子さんの虫歯予防に効果的です。しかし、小さなお子さんが自分ですみずみまで磨くのは難しいものです。そのため、10歳くらいまでは親御さんの仕上げ磨きが欠かせません。お子さんの歯を守る仕上げ磨きのコツをご紹介します。
上手な仕上げ磨きの仕方
歯ブラシはペンを握るように軽く持ちましょう。また、お子さんは痛い思いをしてしまうと、仕上げ磨きを嫌がってしまいますので、ゴシゴシと強く擦るのは避けましょう。毛先を細かく動かすようにすると、歯と歯の間まで磨きやすくなります。
コツとしては、まず歯ブラシの毛先が寝ないくらいの力で磨くことです。そして歯と歯の間に歯ブラシの毛先を軽く差し込み、小さく優しく細かく往復させます。また、歯全体を磨くのではなく、1本1本の歯を磨くことを意識しましょう。1本につき10回くらい細かく振動させながら磨くと、汚れもきれいに落としやすいです。
仕上げ磨きの流れ
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Flow 01
親御さんが足を伸ばして座ります
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Flow 02
その上に、お子さんを仰向けに寝かせます
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Flow 03
親御さんの両足で、お子さんの頭を優しくはさみます
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Flow 04
お口の中を上から覗き込むようにして磨きます
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Flow 05
1本1本すみずみまで、優しく丁寧に磨いてあげましょう
予防処置メニュー
ブラッシング指導
お子さんの成長や歯並びに合わせて、すみずみまで汚れを落とせるブラッシング方法をアドバイスします。親御さんにも仕上げ磨きのコツをお伝えしています。
フッ素塗布
歯質強化・殺菌・再石灰化の促進効果が期待されるフッ素を歯の表面に塗布します。定期的にフッ素塗布を行えば、虫歯予防に効果的です。
シーラント
お子さんの奥歯は溝が深く複雑な形状をしています。そのため汚れが溜まりやすく、虫歯リスクが高い歯です。この溝にレジン(歯科用プラスチック)を埋めることで、虫歯を防ぎます。
お子さんの歯並びが気になる方へ
歯並びの乱れは、さまざまな要因が重なって生じることがほとんどです。気になった時点で歯科医師に相談してみましょう。
お子さんの矯正治療は「大人の歯が生え揃う前」と「大人の歯が生え揃った後」の2つに分けられます。歯並びを治すにはまず、歯並びが悪くなった原因を知ることが大切です。そのうえで、治療法やタイミングを考えなければいけません。よりスムーズに矯正治療を進めるには、前歯が大人の歯に生え変わる6歳頃に検診を行うのがおすすめです。
クセが歯並びを乱すこともあります
お子さんのお口周りのクセは、歯並びに大きく影響します。歯並びを乱れさせないためには、そうしたクセを改善することが大切です。
指しゃぶり
指しゃぶりはほとんどの赤ちゃんに見られるもので、自然な行動です。しかし、3歳を過ぎても指しゃぶりのクセが残っている場合は、歯並びに影響があります。指をお口の中に入れて吸い続けるとあごの骨の成長が妨げられやすくなるためです。指しゃぶりのクセがある子は、前歯が出る出っ歯や上と下の前歯が噛み合わない開咬になるケースがあります。
舌で歯を押す
舌で歯を触る、前歯を押すといったクセは舌癖(ぜつへき)といいます。このクセは、歯並びだけでなく、発音を悪くさせる可能性があります。
口呼吸
口呼吸がクセになっていると、口を閉じるための筋肉が発達しにくくなります。その結果、歯並びにも影響をおよぼす恐れがあります。
しっかりと噛まない
柔らかい物ばかりを食べていると、あごの骨の成長が遅れる可能性があります。また、片側ばかりで噛むクセがある子は、あごの左右のバランスが悪くなって、歯並びに影響を与える可能性があります。
頬杖
頬杖は、片側のあごに力がかかるため、あごの骨が歪みやすくなります。そのため、歯並びの乱れやお顔の変形といったリスクがあります。頬杖をつきながら寝転ぶ、スマホやタブレットを見ているような場合は注意しましょう。
矯正を始めるタイミング
子どもの矯正治療には小学生くらいに行う「Ⅰ期治療」と中学生以降に始める「Ⅱ期治療」と2つのタイミングがあります。それぞれ、年齢だけでなく治療内容や目的が異なります。
Ⅰ期治療
Ⅰ期治療は、乳歯と永久歯が混在する混合歯列期に行う子どもの矯正治療です。上下の前歯が生え変わる、8~9歳くらいから始めるのが一般的です。
Ⅰ期治療は、あごの正しい成長を促す、歯とあごのバランスを整える、噛み合わせを安定させることを目的とします。子どもの成長を利用する治療なので、このタイミングでしかできません。
Ⅱ期治療
Ⅱ期治療は永久歯が生えるタイミングで、大人の矯正治療と同じ内容の治療をします。第二大臼歯という一番奥の歯が生える12~13歳くらいのタイミングで始めます。お子さんにもよりますが、中学生以降であればⅡ期治療を行えます。
この時期はあごの成長がほぼ終わっていますので、Ⅰ期治療のようなあごを広げる治療はほとんど効果がありません。そのため、Ⅱ期治療では歯並びを整えることを目的とします。もし歯を並べるスペースが足りない場合は、抜歯が必要になることもあります。
矯正メニュー
床矯正
入れ歯のような形をした矯正装置です。あごの成長を正しく促せるため、あごが狭い、出っ歯や噛み合わせが深いといったケースでも効果的な装置です。あごが十分に成長すれば、将来的な矯正治療において、抜歯リスクを下げられます。乳歯や生え変わりの時期に使用する装置です。
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メリット
- 食事・ブラッシング時に取り外せる
- 取り外してブラッシングできるので、汚れを落としやすく虫歯リスクを抑えられる
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デメリット
- 長期間外したままだと、装置が合わなくなることがある
- 矯正装置を無くしたり壊したりすることがある
ブラケット矯正
ブラケットという装置を歯の表面に取り付けて、ワイヤーを通して牽引することで歯を動かします。月に1回くらいのペースで調整・交換して歯並びを動かし整えます。Ⅰ期治療によってあごが成長していれば、スペースが確保されて抜歯しなくても歯並びを整えられます。また、治療期間も短くなります。
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メリット
- スタンダードな装置で、信頼性が高い
- 歯をしっかり動かせるので成果が出やすい
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デメリット
- 装置が目立ちやすい
- まれに壊れることがあり、その際は修理が必要
治療費紹介
初診料(相談料) | 無料 |
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検査料(診断用精密検査) | 38,500円 |
Ⅰ期治療(混合歯列期~永久歯列) | 385,000円 |
Ⅱ期治療(永久歯列) | 385,000円 |
本格矯正 ※Ⅰ期治療に引き続き、Ⅱ期治療が必要な場合のみ再契約で別途かかる料金です。 1期治療のみで終了する患者さんは必要ありません。成人の方(永久歯列)の矯正治療は、Ⅰ期Ⅱ期のトータルとして治療費は808,500円になります。 |
808,500円 |
処置料(1回) ※毎月の来院時にかかる費用です。治療内容により異なります。 |
5,500円 |
※料金はすべて税込です。